TALK ABOUT…BIRD CAGE MV

KOICHIRO

BIRD CAGE っていうタイトルは、昨年8月末のアーティスト写真撮影時には決まっていた。その時点では、まだ歌メロは確定してなかったかな?曲を流しながらの撮影に気分も上がった。後日リハスタでかっちゃんのドラムが決まっていく様子を見ながら、妙に納得する自分がいた。打ち込みオンリーだと生ドラムを叩きながらテンポを決めるなんてあり得ないし、やっぱりバンドなんだと実感した事だ。
11月初旬レコーディング。生ドラムによるグルーヴ感、ミヨケンのギター、Peahのスクラッチ、そして僕の歌が入ると紛れもないM-AGEの音となった。昔と違うのは、レコーディング時間だろう。シークエンスやブレークビーツなどの音は既に出来上がっているので、圧倒的に短時間で臨む事が出来る。昔の様に印象に残るような出来事もないまま歌もドラムもツルっと終わってしまった。
当初からMVをどうするか?が問題であった。この状況の中で撮影するのは困難だろうと容易に想像ができたからだ。緊急事態宣言の解除を待ってからの撮影するか、強行に撮影するか、せめぎ合いの状況だったのは11月も中旬を過ぎた頃。僕が作る事も考えたが、それには時間が無い。そこでミヨケンの知り合いである若手クリエイターの作品を観たところ、BIED CAGEの世界観が想像できた。そこから撮影に入るまで1ヶ月かからなかった。
12月初旬にゲリラ的に撮影を敢行。不謹慎ではあるが、MVの撮影でこういう経験は無かったので気分が上がったのは僕だけではないだろう笑
夜も21 時を回った頃に集合し、23時前に夜の渋谷へと繰り出したその日は、非常に寒かった。非常事態宣言の真っ只中なので、撮影者のみクルーと場所に向かい、他のメンバーは車で待機。僕は最初と最後の出番だったので途中ずっと車で待機、その間一人で渋谷をぼんやり眺めていたのだが、ほんとに非常事態宣言中なのか疑問に思うほどの人が歩いていた。時計の針は24時を回っていた。
最後の出番は渋谷駅前スクランブルでの撮影だ。信号が青に変わったら走って中央まで行きカメラを回し、赤になったら戻るっていうのを何度が繰り返したんだけど、良く警官に止められなかったなと今にして思う笑笑 時計の針が2時を回った頃に終了。
出来上がったMV は想像以上の出来栄えだった。過去と今と未来が溶け合った今の僕たちを上手く表現出来ていると思う。
※世界観についてはミヨケンとのシリーズインタビュー#3を観て下さい。


MIYO-KEN

とにかく寒い1日だった。
去年の12月某日は、間違いなく年末にかけて一位二位を争う寒さだったと思う。
21時過ぎにオフィスに集合して、監督、カメラ、各スタッフと全然関係ない話をしながら、渋谷に繰り出す時間を見計らっていた。
勿論、各メンバーがどういったロケーションで撮影するかは監督の中で出来上がっているので大きな不安は1ミリも無かったと思う。
とはいえ、四半世紀を跨いでのMV撮影である。
当時と同じクオリティー(ここでは肌艶、お尻の大きさなどw)で映像が残せるとは僕ら自身も思っていない訳であり、各々が大人の魅力とは何ぞやと自問自答を繰り返し納得がいった上で(あくまでも個人的なOKレベル)、俺って最高な気分で撮影に臨んだはずだ。
役者が良いのか編集が巧みなのかは、このMVを見てくれた方々の判断が一番正しいと思う。
敢えてどちらかとは聞かないがw

23時少し前だったと思う。二台の車に分乗し渋谷、桜丘へ。
先ずはKoichiroのシーンからの撮影だ。
勿論道路の使用許可など取ってる訳もなく、全てにおいてゲリラ的な撮影だ。
監督、カメラ、僕、事務所スタッフ、そしてkoichiro、通行人がいないのをスマホで連絡し合ってGOの合図を出し撮影スタート。
今回のMVはご覧の通りただ歩くだけ。歩くだけと言っても監督のイメージに沿って歩くのでスピード、目線の置き場所、背中の丸め具合など注意するポイントは少なくない。
夜も遅い時間なので通行人も少なく順調に撮影は進む。
流石に渋谷駅前246を渡る歩道橋のシーンは終電間近という事もあり、通行人込での撮影となり、かえって現在の渋谷を切り取るという意味でリアリティーは増したと思う。平時に比べ圧倒的に人の数が少ないのだから。

二番手は僕。円山町に場所を移して撮影再開。
日曜の夜、しかも終電後だというのに綺麗なお姉さんと不釣り合いなおじさんがホテルから一緒に出てきて、「ありがとう、楽しかったです!またよろしくお願いします。」と挨拶を交わしお互いに背を向け合い別方向へ歩き出す光景を何度か見かけたw
そんな場所での撮影は人の写り込みは絶対にNGなので、カメラをこまめに止めながらの撮影となる。赤やピンクのネオンが多いので場所なので、ロケーション的に困ることは無かった。おじさんはホクホクだろうけど、僕はめちゃ薄着での撮影で激寒だったのだが。。。
もうひとつ気づいたこと。店舗型のお店ってめちゃ減ってるのね笑。

三番手はpeahちゃん。パルコ方面に場所を移して撮影再開。
この場所も渋谷を切り取るには欠かせない場所だ。
終電もとっくに終わってる時間なので通行人はほぼいない。
ここもロケーション、明るさ、お店のネオン的に最高の場所なので滞り無く撮影は進む。
響くのは僕らの声だけだ。行くよーとか、もちょいゆっくりとか、目線はずしてーとかそういった類のね。場所をいくつか移してこのシーンも無事撮影終了。

再度場所を移してokazakiの撮影。
近年、この宮下公園付近は一番変わった場所だろう。青いテントは無くなり、ハイブランドのお店が立ち並ぶ渋谷を代表するエリアのひとつとなった。
ただこの場所は昼と夜の落差が激しい。派手な照明が消えると一気に寂しい場所へ変貌する。
他の撮影場所と比べると深夜の宮下公園は若干地味なのだが、ここも渋谷を切り取るという意味では外せない場所。身を切るような寒さに耐えながら撮影は順調に進んだ。

そして最後はスクランブル交差点での撮影。
信号が青の時間でしか撮影できないので、何度か立ち位置や、表情の確認などカメラテストを行った上での撮影となった。
信号が青になる度に小走りするkoichiroとカメラと監督。しかも薄着。。
僕は横断歩道の端に立ち、信号点滅~とか車来ます~とかADの役割w。
変に薄着なおじさんたちが大声で安全確認し合う、変にシュールな光景w。

四半世紀ぶりのMV撮影は無事終了。

あとは監督の編集を待つばかり。
先ずはカット割のチェックから始まり、CGの入り方の確認などを経て作品が完成。

良いMVが出来たと思う。
ただ歩いているだけなのだが、ここに大きな意味が隠されています。

皆さんそれぞれで感じて頂ければ、これ幸いかとw


OKAZAKI

まだ暑い夏の日だった、そうM-AGEのアーティスト写真の撮影の日だった。
4人が揃って「何か」をするのはホント久しぶりだった。

1人ずつメイクルームへ向かう。何年振りだろう…こういうワクワク感になるのって。もちろん不安もあったりするけど「そんなもんどうにかなる!」ってこの時点で既に思っていた。
昔からそうだがM-AGEメンバーは全員が腹を括るとソレからは速い。「ススメミライヘ」なのだw
最初にメイクルームに入ったのは確かKoichiroだったかな。終わって出て来たら思った通り「スイッチ」が入っていた。「うん!」
他の3人はソレを見て感想を言うこともなくメイクは進んでいく。
その中でMIYO-KENが「ちょっとコレ聞いて欲しいんだけどぉ」っていつものイントネーションでwノートPCと取り出し曲を聞かせてくれた。
そこにはもうMIYO-KENの仮歌ではなくKoichiroの歌が入っている新曲のデモだった。紛れもなく「THE M-AGE」だった♫興奮を抑えて「いいんじゃない」って格好をつけて言ってしまったのを憶えている。照れ臭かったのかなぁwなんだかそんな事も昔の自分に戻っていたのか…恥ずかしいw
何度リピートしたか憶えていないが、相当聞いた気がする♫そう聞いているときは自分のパートのことをイメージしたりして聞くのだが何パターンもイメージが湧くのが楽しかった。

数日してレコーディングになった。あ、その前に1度プリプロを兼ねたリハーサルしたっけ♫^^;
シーケンスや構成、リズムパターンなどを確認、決めて行く。
元々ドラムは生が良いと言っていたのでスタジオで音合わせをするより前から1人でスタジオに籠ったこともあった。
デモのリズムパターンを再現するのと、今の自分を表現したパターンと2通り考えて行った。やはり後者のパターンが採用になった🥁
そしてレコーディングになる訳だが、レコーディングスタジオに入ってからは昔と違い、進行するスピードはメッチャ速かったwあっという間にドラムは録音終了。
歌録りもスムーズに進んだ。
MIXも素敵に仕上がった♫

いよいよMVの撮影だ。
もう季節は変わり寒くなっていた。「撮影するよっ!」てMIYO-KENから連絡が来た。どうなるかは別としていよいよ動き出したんだと実感する。
プランニングや監督どうする?ってのは成るように成るって思っていた。
MV撮影はスムーズに進んでいった。ただ言えるのは、「楽しみでしかない!」ってことだった。
1人1人ソロショットしていく、寒かったこともあって自分のシーン以外は各々暖を取っていた。
自分の番になるまでジッと待った。
なので自分以外のシーンは出来るまでわからないのである。
そもそも気心知れたメンバーなのでどうなるかは察しが付く。
…いやいやこれ以上話したら全てが薄っぺらいものになってしまうのでこれにてドロンです 笑


DJ PEAH

MV撮影では、深夜終電後の渋谷でした。寒い中で野外撮影は、 tearsのMV以来のことです。その当時は撮影時間も夜から朝までかかり大がかりなものでした。今回もそのような意気込みでいたのですが、コロナの影響もあり、新曲の撮影は個人別々で一発収録となりとても撮影は速かったです。

この新曲は正式にベスト盤発売に至るきっかけになったのではないだろうか? 本来再結成してLIVEできたらいいよね。くらいでした。慣れ親しんだ曲を共有して新たにリアレンジしていきました(これはベスト盤には入っていません)便利な世の中になっ たものです。いわゆるリモートですね。そうしてメンバー同士モチベーションを高め制作意欲に変えていったのです。

今回ベスト盤はリマスターということで発表しています。レコード会社にご協力していただいて、このような流れになったわけです。これに新曲 BIRD CAGE が加わっています。

プロモーション写真撮影時に初めてデモ聴いたのですが、初聴き時に思ったのはデビュー曲(call me)に似ていると直感で聴き流したのを覚えています。 Miyoken、 Koichiroで曲を制作、デモの段階でしたが自身がやるべきことを、そこでイメージできたことは、とても縁ある曲だなと改めて感じています。

原曲にアレンジを肉付けしていくやり方ではなく、ほぼ同時進行で完成させた曲ともいえる。
だから余計なものが入っていない。どこかのパンのCM みたいだが、今までできなかったこと(やりたかったこと)はこのことだったんだろう。裏を返せばこの曲だから成立できた。